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ファン=ゴッホ展@国立近代美術館
2005年 05月 20日
行って来ました。
開場15分前に着くくらいに行ったらすでに長蛇の列 でも、絵を人の頭越しじゃなくて観ることが出来たから まだ良かったかも。常設展見忘れた… 感想、とりあえず感動した。 と、これではどっかのバカな首相なのでもう少し 今まで、ゴッホの絵はあまりにも自分自身を入れ込みすぎて 美しさと同時にある種悲壮感があるな~とか思ってたんですが (ゴッホの人生を知ってしまうとなおさらそう思われる) なんだろう、どの時代の作品を見ても 自分の理想に向かってすごく研ぎ澄まされたクリアな感覚が溢れてると感じた。 人生のあらゆる苦悩や、理解されない自分の境遇、精神病 そういうものと戦って絵を描いてきたとか、そんな単純な事じゃなくて もちろん、創作の苦しみとかはあると思うけど、現実的なものとは切り離された 自然の持つ永遠性や、それにかかわる自分自身、そういうものを描ききっている、 そう思えてならない。 どの時代の絵を見ても、色彩にそんなに色濃い影があるわけではないし (もちろん色調が暗い絵はあるけど、それを取ってゴッホの精神が云々とか そんな感じは受けなかった)少なくとも自分はだけど。 特に気に入った絵のことを少し書くと 夜のカフェテラスが映し出す、喧騒と静寂、降る様な星… ゴッホがまさに、そこで絵を描いているような、そしてまた自分が 19世紀末のフランスに迷い込んだような、そんな時代の空気感、実在感があった。 サン=レミ療養院の庭の絵も、入院中とは思えないような 明るくてみずみずしい色使いでとても良かった。 ゴッホは世界を愛していたんだろうな、と思わずにはいられない。 遺作間際の糸杉と星の見える道も空の描写の精細さ、色使いの巧みさ、 それらに加えて、ゴッホ独自の形態にたいする感覚 素晴らしい絵だった。 濃いブルーに混じってアイスブルーとグリーンの中間くらいの色が 輝く星に向かって螺旋を描いてるんだけど、その色使いが本当に 目が覚めるように綺麗だった。 今、上に書いた3作品のポストカードを見ながらコメントを打ってるんですが 全然100分の1もゴッホのよさが出てない。実際にテクスチャの感じや 色の響きあいを観てもらいたい。 写真や図録でゴッホは別に好きじゃないと言ってる人は本当に 1度行って欲しい。詰まらなかったら僕が金払いますよってくらいに。 まあ、個人の好き嫌いはあると思いますが 後印象的だったのが、夜のカフェテラスを10分くらいじっと眺めて その次にあった絵が、セザンヌの池に続く小道だったんだけど、 なんとも言いようの無い、安らぎというか安心感があった。 セザンヌがゴッホに劣ってるとかそういう話ではなくて、 創作に向かう姿勢というかそういう物の差が、作品全体に現れていた。 そういう意味で言えば、ゴッホの絵は自分自身の命を瞬間の煌きとして 絵に出してるのかなぁ…と。 全て観終わって思ったことは、同じ芸術の道を志す者として ゴッホが絵を描き続けて見ようとした先を見たい。 また、いつの日か自分だけが立つ地平に辿り着きたい、そう思った。 とりあえず、開催日あと2日あるのでお時間ある方は是非どうぞ。 最終日は昼を廻ったら入館はほぼ絶望的でしょう。 後、星降る夜アルル、ドービニーの庭、アルルの跳ね橋 この中の一点があればなあ…すごく観たかったのに。 夜のカフェテラス 糸杉と星の見える道 サン=レミ療養院の庭
by wednesday9
| 2005-05-20 17:52
| 展覧会
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